建設業界でアルバイトをしていて。そのアルバイトしていた会社にそのまま就職したんですよ。いつものように現場に出て、いつものように仕事をしていたら、索道会社が来てるって。「索道って何?」って感じですよ。読み方も分からないくらい。でも、その会社の仕事を見て驚いた。人間の身ひとつでワイヤーをかついで、こんなとこ登れんのかっていうほど急な崖を登っていくんですよ。命綱もなしで。「すげぇ!」って思いましたね。その仕事ぶりにシビれてここに転職したんです。ええ、その現場に来ていた会社こそが、丸架索道でしたから。
僕らの仕事って、橋やダムをつくる手助けをして自然を壊してるように見える。だけど人間の生活に必要なものは作らないといけないので、工事による自然へのダメージが最小限で済むように対処するのが仕事なんです。その他にも山ののり面の補修も重要な仕事。小さな崩落でも放っておけばひどい崖崩れになり、雨が降れば土石流になって下流の集落が巻き込まれてしまうかもしれない。自然を守り、人の命を守る仕事でもあるんです。
そう言うとかっこいいですけど、仕事は常に危険と隣り合わせ。だから、いつも緊張感を持ってやっています。「安全第一」って言葉はもう当たり前すぎて新鮮味がないけど、それでも安全が一番なんですよ。人の安全を守る僕らが事故を起こしたら示しが付かないしね。他の仲間とチームワークを発揮しながら、効率的で安全な方法があればどんどん取り入れて仕事をしていく。そんな柔軟さも必要ですね。
この仕事は、どんどん高齢化していくと思うんですよ。だからこそ、元気な若者に来てもらって活気が出てくるといいですね。
僕もこれからもっと経験を積んで、若い人たちに教えられるような指導者になっていきたいと思います。
(2000年入社)
索道が必要な現場で作業を行いながら、現場を仕切るリーダー的な役回りを負う。
普通科の高校を卒業した後、アルバイトをしていた建設会社に正社員として入社。その後、2000年に丸架索道へ転職し、現在に至る。