丸架索道の仕事「索道」について 自然と人を守る、縁の下の力持ち。

自然とふれあいながら、
静けさ漂う山奥で黙々と仕事をする。
地形を読み、索道の完成形をイメージしながら、
チームワークを発揮する。
役目が終われば、すぐにバラして次の現場へ。
しかし、刹那的とも思える仕事にこそ、
ロマンが宿るのかもしれない。
私たちは、山の中から安心を運んでいます。

索道の種類と役割

索道という仕事を知っていますか?

 「索道」と聞いてすぐに何のことか分かる人は少ないかもしれません。索道とは、空中に渡したロープに輸送用機器を吊り下げ、そこに人や荷物を乗せて輸送する交通機関のこと。一般的にはロープウェイやスキー場のリフトを差す場合が多いのですが、私たち丸架索道は観光やレジャーのために人を輸送するのではなく、資材や機材を輸送する産業分野の索道を手掛けています。
 日本は国土の大半が森林で占められており、地形が急です。そのため、山の尾根筋から谷筋の道路までワイヤーロープを張って、山から切り出した木材を搬出していました。索道は林業の発展とともに、木材を運搬する手段として発展していったのです。

丸架索道の存在価値

丸架索道はなぜ生き残ったのか?

丸架索道の創業は昭和30年代初頭。日本は戦後の復興などのため、木材需要が急増し、創業当初は忙しい日々を送っていました。しかし、1964年(昭和39年)に木材輸入が自由化されると、1980年(昭和55年)頃をピークに国産材の価格は落ち続け、日本の林業経営は窮地に追い込まれていきます。索道会社である当社は、クライアントを林業者から建設会社にシフトすることにより第一期の変革を乗り越えました。さらに平成の時代になり第二期の変革期が訪れます。工事者は自らが製作する工作物の安全性と品質を数値を持って証明する必要が求められるようになります。つまり索道会社として運営していくには、品質の確保(適切で法規遵守のフィールドワーク)と証明(各種構造計算)が必要不可欠となりました。ここで、たまたま二代目社長である私が大学の工学部で土木工学を専攻していたため「証明」が容易に出来たこと。また初代社長である私の亡父とその仲間達が当時としては異例なほどにきっちりと正確なものを作り上げる集団であり、その薫陶を受けた現専務、常務が指導するフィールドワークは時代に適合した品質を確保しています。また、索道でワイヤを扱う事に慣れていることで亡父の時代より吊橋(小規模吊橋・人道専用)の施工を依頼されることが多々有り、私の時代になってからは設計も依頼されるようになりました。設計だけ出来る会社、施工だけ出来る会社は数あれど、設計した人間が実際に現場で施工する、という妙な会社は当社を含め日本では10社 も無いようです。この特殊な立ち位置と特殊な技能、技術が当社の存在感を強めていると自負しております。

索道の魅力

どうだ!これが丸架索道の力だ!

 日本の林業が衰退した後、索道は新しい役割を担うことになります。それは治山事業です。たとえば大雨によって山が崩れてしまったとき。そのままにしておけば、山のふもとに住む集落が土石流に巻き込まれるかもしれません。また、山が崩れそうな箇所が見つかれば、事前に補強工事をする必要も出てきます。そのために索道は、治山工事を進めやすくする役割を背負うことになり、丸架索道の約7割が治山事業関連の仕事で占められるようになりました。
 自然を守り、人を守るため、丸架索道しかできない仕事をやり終えたとき「どうだ! これが丸架索道の力だ!」と誇らしい気持ちになります。治山工事が終われば、ケーブルクレーンは跡形もなくなりますが「そこで仕事をした」という記憶と誇りは、いつまでも私たちの心の中に生き続けています。

丸架索道のめざすところ

業界の中でキラリと光る存在でありつづけたい。

 今後、索道会社は減ることはあっても増えることはないでしょう。そんな業界だからこそ、私たちの存在価値が生きると思っています。60年以上に及ぶ歴史、安全かつ効率の良い索道をつくる技術と頭脳、さらに小規模の吊橋の設計・施工、コンサルティングなど、幅広い業務をカバーすることができます。そして何より、私たちを支えているのが「自然と人を守っている」という自負。大きな建物をつくるわけでもなく、地図に残る仕事をするわけでもない。しかし、私たちの仕事があるからこそ、自然が守られ、人々の安全・安心が守られる。索道はマイナーかもしれませんが、決して世の中からなくならない仕事です。丸架索道は、そんな業界の中でいつまでもキラリと光る存在でありつづけたいと思っています。

これからの若手に期待すること

若い力と気持ちで、索道業界に新風を。

 索道は建設・土木の分野でもかなりマイナーです。それゆえ日の当たらない、縁の下の力持ち的な仕事と言ってもいいかもしれません。ただ、ライバルが少ないだけに強みを発揮しやすい仕事とも言えます。実際、丸架索道はその強みを活かしてここまでやってきました。
 索道は、自然と人を守るという価値のある仕事。そして四季折々のダイナミックな風景に感動しながら、現場が終わるたびに大きな達成感を得られる。あなたも、そんな仕事をやってみませんか? 理系文系問いません。女性だってやる気があればできると思います。これから高齢化が進む業界。皆さんの若い力と気持ちで、新風を吹き込んでください。

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